「老人」
つく杖に すがるともよし 老人オイビトの
千年の坂を こえよとぞおもふ
大意:老人は仮令杖に縋って歩いても宜しいから、どうか千年までも長寿してくれよと思ふぞ。
「述懐」
山の奥 しまの果てまで たづねみむ
世に知られざる 人もありやと
大意:自分の治めて居る広いわが国には器量があり才能ある人が、其器量才能を現す機会もなく、徒に埋れて居て、世に用ひられずに在らば、口惜しき事であるゆゑに、さういふ人をば、如何なる山の奥までも、又は如何なる島の果てまでも尋ね求めようよ、の御意。