今日9月5日(月)は「菱餅」についてです。

今日9月5日(月)は「菱餅」についてです。

菱餅は上巳とともに中国から伝わった食べ物です。緑の部分は元々、母子草と呼ばれる草餅でした。

母と子が健康で長生きするようにとの意味が込められています。菱餅は女の子の健やかな成長と長寿を願って飾られるものです。

平安時代には母子草が使われた草餅が作られていましたが、江戸時代ごろから、母と子をつくことが縁起が悪いとされて嫌がられ、ヨモギ餅になったといわれています。

江戸時代に五節句が制定されると、3月3日は女の子の節句として定着しました。菱形になったのも江戸時代ごろとされています。

菱餅が菱形をしている理由は諸説あります。正月に食べられていた『菱はなびら餅』に似せて作られたという説や、『心臓』の形を表すという説などです。どの説にしても、菱形には健康で長く生きられるようにとの願いが込められています。

菱餅の色は緑・白・ピンクの3色になっています。

緑に使われているヨモギは、造血作用があるとされる健康によい食材です。新緑のイメージもあり、『健康』などの意味を表すようになりました。

白餅は菱の実が含まれており、血圧低下を促進するとされています。純白の雪をイメージすることから、『清浄』などを表します。

ピンクはクチナシの実で色付けられていますが、解毒作用があるとされる食材です。桃の花をイメージするものであり、『魔除け』を意味する色です。

色を重ねる順番にも意味が込められているといわれています。重ね方には二通りあり、下から緑・白・ピンクで重ねている場合は、『雪の下から緑の芽が芽吹き、桃の花が咲いている情景』を表しています。

また、下から白・緑・ピンクで重ねている場合は、『雪の中から新芽が芽吹き、桃の花が咲いている』という意味です。